「初めての降板について報告したいということで…」。黒柳徹子(88)の問い掛けに、「昔、舞台では降板したことはあったけどね」と穏やかに笑った佐野の口からその後、発せられた言葉は、衝撃的なものだった。
佐野は、5月にTBS系連続ドラマ「リコカツ」を人生初の途中降板。当時は理由について「腎臓機能障害」とされていた。だがこの日、「多発性骨髄腫」も患っていたことを告白。血中の白血球の数値異常から腎臓機能の低下が分かり、精密検査をしたところ多発性骨髄腫が判明したという。当時、全てを公表しなかった理由については「放送中だったので大変な騒ぎになるのではと思った」と説明した。
番組では闘病生活についても語った。当初は1か月で退院予定だったが、敗血症を併発して入院期間は2か月間に。「一番つらかった。38、39度の熱が1か月くらい続くと、ちょっと何とかしてくれと思う」と振り返った。退院後は化学療法を続けていたが経過は順調で、仕事にも復帰。同局系ドラマ「言霊荘」(土曜・後11時)の撮影などに参加した。関係者によると、この日の収録は11月15日に実施。黒柳も「言われないと病気の方に見えないわ」と語ったほどだ。
ただ公式サイトによると現在は、より徹底した治療のため再入院中。抗がん剤治療と自分の血液から採取した幹細胞を骨髄に戻す自家移植の治療を続けているという。
「徹子―」では「一日一日、一瞬一瞬がありがたく感じられる。元気な時には分からない」と改めて大切なものに気づかされたとしみじみ語った佐野。今後はしばらくの間治療、療養に専念することになるが「病気を乗り越えて、徹子さんのように80歳、それ以上に元気に仕事ができるように」と前向きに話していた。